シルクコラーゲン加工

シルクコラーゲンの可能性

セリシン

18種類のアミノ酸で構成された膠(にかわ)質のような成分であり、絹の繭のフィブロインを包み込むようにして付着しています。このセリシンのアミノ酸組成は人間の肌の天然保湿因子(NMF)と非常に良く似ているため、肌に馴染みやすく、肌のバリア機能を低下させる活性酸素の発生や、シミの原因となるチロシナーゼの働きを抑制する効果があります。
また、セリシンには「セリン」と呼ばれる保湿効果の高いアミノ酸が30%以上も含まれており、保湿や美白に優れた成分として化粧品にも使われています。

コラーゲン

独自技術により、ブリの皮から良質なコラーゲンが採取されました。
このコラーゲンをセリシンを活用したシルクプロテイン加工とミックスすることにより「シルクコラーゲン」加工が実現できました。シルクコラーゲン加工は特許技術による国産セリシンの抽出液に海洋性国産コラーゲンをミックスさせて繊維生地に付着させたまったく新しい加工方法で、とろみ感ある着心地と肌に優しい1クラス上の着用感がおすすめポイントです。素材によっては加工を施すことで、より保湿性がアップすることがわかりました。

福井発の抽出技術

従来、セリシンは薬品添加と加熱によって分離させますが、これには大きなデメリットがあります。薬品添加は、強力なアルカリ性の薬品で行われ、また、中和工程でも同様に強い酸性の薬品が用いられます。
これにより、例え中和させたとしても強い薬品が2種類以上添加されることで、製品の安全性リスクは高まります。また、セリシンはタンパク質でありナマモノなので、熱を加えることによって、品質の低下は免れません。では、できるだけセリシンの品質を高い状態のまま抽出し、利用できないでしょうか。これに弊社と多岐にわたって連携している福井の会社(ベスト工房(株))が1つの答えを出しました。

この加工技術(特許第3973886号セリシン抽出方法、その抽出液及び繊維または布帛の改質加工方法)によって、セリシンを繭玉から薬品や熱を加えることなく抽出することに成功したのです。「silbesシルベス」と名付けられたこの溶液は、前述のコラーゲンとの相性も良く大学での検証結果、タンパク質の組成を損なうことなく、従来の方法で抽出したセリシンの数百倍もの分子量で抽出されており、この高い分子量のセリシンとコラーゲンは長い鎖のような状態で、肌や繊維に強固に付着するという結論がでました。
このシルベス液は、現在では様々な製品に取り入れられており、高品質のシルクプロテインとして活躍しています。繭玉は、品質が不安定で、漂白剤などの薬品処理の心配がある海外産を避け、福井で養蚕にも取り組んでおり、全国の養蚕農家が激減する中で、年間約20万頭もの蚕を飼育しています。

パワーズでは、このシルベスコラーゲン液を衣料品に応用することで、より品質の高い製品作りを目指しています。Silbesコラーゲン加工によるメリットには「風合いの改質」、「吸放湿性の向上」、「黄変緩和」などがあり、洗濯に対しても、大学の試験において、洗濯回数30回を超えてもプロテインの付着に差異が認められないとの結果になり、生地への付着がかなり強固なものであると結論づけられています。これはセリシンが高分子であるため、連なったタンパク質の鎖が繊維の凹凸に複雑に絡みついているためであり、加工に適した原料であると言えます。
繊維素材の表面にシルクコラーゲンを付着させることで、素材により柔らかな風合いを与え、1年を通して快適に着用して頂ける製品をご案内しております。